【海外事情】ヨーロッパで有料の救急車に乗った体験談。

      2018/02/27

海外の救急車。

ヨーロッパ自転車旅で経験した「3つの危険な場面」からの続きです。僕KOUが犬に噛まれて出血し、救急車に乗って運ばれた事件についてちょっと詳しく書いてみたいと思います。

反面教師にして下さい。

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状況

事件が起きたのは2016年、僕が「ギリシャからポーランドまでの約4,000kmを自転車で走りヨーロッパを縦断する」っていうチャレンジをしている途中のこと。

場所はハンガリーの首都、ブダペストから数十キロ離れた小さな町のはずれ。時刻は午後1時過ぎぐらい。

自転車にテントや寝袋、その他たくさんの荷物を積んで走っていた僕が上り坂にさしかかった時、道沿いの家々で飼われている犬たちがいっせいに吠えだした。

 

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これがその現場の坂。

ギリシャのアテネを出発して約50日。これまで通って来た各国で数限りない犬に吠えられ、追いかけられてきていたので、正直ある程度は慣れていた。

で、ここはどうせ柵の中から吠えてるだけだしと無視して坂を漕ぎ登っていたけれど、荷物は重いし坂もキツいんで途中で一度自転車を降りたところ…

なんと、一匹の犬がフェンスの隙間から飛び出し、真っすぐ僕めがけて突撃!

 

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それがこの犬。ちなみにこの写真は事後に撮影したもの。

こいつが僕の手前3mぐらいの位置でいったん止まり、狂ったように吠える。

その勢いがもの凄いもんだから、こっちもその場を早く離脱しようとして再び自転車に跨りかけたところ、焦りからバランスを崩して一歩左側(家のある側)によろめいてしまった。

 

その瞬間、犬は僕に飛び掛かり、左脚を思い切りガブッと!!

さらに自転車ごと倒れた僕の右腕もガブリ!!

僕はとっさに立ち上がり、犬を睨みながら大声を出して威嚇。犬はこれ以上やると反撃を喰うとでも思ったのか、再びフェンスを抜けて家の敷地内へと逃げていった。

 

噛み跡

噛まれた脚と腕からは鮮血が流れ、地面にも血が滴る。

その時撮った写真があるんで載せてもいいですか?

血がダメな人は気を付けて下さい。

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今後必要となるであろういろんな場所での説明のためにも、できるだけ証拠を残しておかないと…と思い、自分の傷の状態やら噛んだ犬やらあれこれ撮っておいたうちの一枚。

 

この日も最低でもここまでは進みたいっていう目標があったけど、とてもこのまま行ける状態じゃあない。

とりあえず飼い主と話をしようと思ったけれど、また近づくのも危険なので、距離を取ったまま大声で家の人間を呼んだ。

なかなか出てこなかったんだけど何度も呼んで、繰り返し呼んで、不在なのかと思った頃にやっとの門の辺りまで出てきたのが水着姿の若いカップル。

女性の方がこの家の娘で、男性はその彼氏らしい。建物を挟んだ反対側で水遊びかなんかしていたようだ。

 

家の人

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簡単な英語と身振り手振りで状況を伝えると、驚いた様子で彼氏が犬を確認しに行った。

彼女の方は外に出てきて僕の状態を確認。血がダラダラ出ているのを見ると、家に戻って救急箱を取って来てくれた。

とりあえずもらったウェットティッシュで傷口を押さえ、血を拭いてゆく。

消毒をして包帯を巻いてくれようとする女性に「自転車を漕いでいたら突然YOUの犬に噛まれたんだよ」と説明すると、彼女は「ノー、それは違う。あれは私の犬じゃない。私の父の犬だ」と否定。

いやいやいや、それ結局同じこと……てかそれを今ここで主張する?

その感覚の違いに一瞬愕然とするも、一応ソーリーソーリーと謝りながら手当てをしてくれるので悪い人間ではないようだ。

 

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噛まれた左脚。血が拭き取ってあるから見た目はマシだけど、腕よりこっちの方が傷口は大きく、深く抉られていた。

 

救急車を要請

とりあえず救急車を呼んだというんで待つことになったが、10分…20分……これがいつまで経ってもやってこない。

その間僕はずっと噛まれた場所で、ところどころ草の生えた地面に座り込んでじっと待つ。

何か飲むかい?とお茶を出してくれたのはいいんだけど、足を負傷してるんだから家の中で待たせるとか椅子持ってくるとかそういうのは無いのかな?

 

警察

またしばらく待っていると救急車より先に警察官が到着。

僕のパスポートを確認した後、犬の飼い主である親の代わりに娘の方と話をしていた。

少なくとも僕の方は、後で警察に行かなきゃならないとかそういうことは無いらしい。

「希望するなら私の父を訴えることも出来るわよ」と娘に言われたが、自分は今重要なチャレンジの途中。「そんな手間も時間もかけていられないので治療費だけ出してくれればいい」と伝えた。

 

飼い主

この件で娘に呼び戻されたのか、しばらくして飼い主である父親が到着。

「Sorry」の一言は聞いたが、本当に申し訳ない的なものは感じられず、ちょっとイラつく。

警官に話を聞かれていたが、しばらくすると家の中に引っ込んでしまい、その後出てくることは無かった。

え?噛まれたこっちは傷口押さえながらまだ地ベタ座ってるんですけどね…!?

 

救急車、到着

結局一時間ほど経ってやっと救急車が到着。救命士の人がさっきとりあえずで巻いた包帯を取って消毒し直し、改めて新しい包帯で左脚と右腕を巻いてくれた。

当たり前だけど巻き方も素人とは違って、キチッとしていて安心感半端ない。

もちろんこれは応急処置なんで、傷を縫わなきゃいけないだろうし、何よりワクチンを打たなきゃならない。

犬に噛まれて一番怖いのは傷そのものよりも狂犬病

海外の救急医療は恐ろしく高い!なんて話も聞くけど、治療費はあっち持ちという話になっていたので、とりあえずこの救急車に乗って病院まで行くことにした。

 

万一相手が掌クルーっとしてきても、クレジットカードの保険もあるんでそれでカバー出来るはず。

リアキャリアに積んでいたザックから財布など貴重品だけ取り出し、自転車や他の荷物は家の敷地内に入れておいてもらうことになった。

これまで付き添いとして乗ったことはあっても自分が運ばれるのは初めて。その人生初の救急車主役体験がまさかハンガリーになるとは。

 

ベンツの救急車内。

ヨーロッパではよく見かけるベンツ社製の救急車。白の車体にオレンジ色の太いラインが入っているので、見た目的には日本の救急車にかなり近い。

写真は車内の様子。大人が2人寝たまま収容できるようになっていて、いくつかの機器も用意してあった。

 

病院へ

患者である僕は救急車に乗り、車で付き添う娘カップルと共に病院へ向かったが、これがまたえらく遠い。

噛まれた現場は小さな町の外れなんだけど、どうやらその町の病院に行くんではないらしい。

どこに行くのか気になって聞いてみると…

「今向かってる場所?ブダペストの病院だよ」と救急士のお兄さん。

僕が今朝出発したのがまさにそのブダペスト。せっかく半日かけてここまで漕いできたのに、逆戻りって気分的にちょっとしんどいなぁ…。

 

病院にて

病院に到着後は救急車を降りてすぐに簡単な問診があったのでそれに答え、言われるがままに待合室へ。そこでもまた一時間以上待つ時間があったので、その間に受付の手続きなどを済ませる。

手続きは車で同伴してくれた娘とその彼氏が(英語を話せるので)通訳になって手伝ってくれた。

この件は犬の飼い主側が治療費を持つという話になっていたので、僕自身は特にすること無かったんだけど。

 

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救急隊員の人が巻いてくれた包帯。

この状態でまたかなり長いこと、たぶん2時間くらいは待ったかと思う。

待っている間にも担架に乗せられた人が運ばれて来ては診察室に吸い込まれていくんで、順番は重傷度によるんだろう。

 

ハンガリーのドクター

やっと自分の名前が呼ばれた。ここはさすがに付き添い無しで、自分一人で診察室に入る。

中には2人の男性がいたけど、たぶん一人が医師でもう一人が看護師…だと思う。

一人が英語を話せたので、僕の片言の英語でなんとか怪我をした時の状況を説明した。

すると「オォー」「ワォ」とか言ってたけれど、とりあえず傷を見せてみろということでさっき救急隊員の人が巻いてくれた包帯をカットして腕と脚の傷口をチェック。

その結果、右腕の傷よりも左脚の方が傷が深いことが判明。とりあえず両方サクッと縫うことになった。

僕はこれまで縫われた経験があまり無くて内心ちょっと緊張したんだけど、患部付近に注射(局部麻酔?)を打ったと思ったらチョイチョイと針で突かれる感触や糸で引っ張られる感触があって数分で終了。

意外と簡単に終わって一安心。

 

狂犬病ワクチン

で、後はワクチンを打ってもらって…と思っていたら、なんとこの病院には狂犬病ワクチンは置いてないらしい。

しかも、狂犬病というのはワクチンを打ったとしても一度では意味が無く、2週間ほどの間に間隔を空けて4,5回打たないといけないと説明を受けた。

恥ずかしながら僕はそれを知らなかったので、しばし呆然。

2週間もまたブダペストに留まることになれば、帰国予定日までにゴールすることが不可能になってしまう…

どうする、自分。

 

ちょっと長くなったので、「この後どうなったか」については【狂犬病】ヨーロッパで犬に噛まれた体験談。ワクチンが無いので…に続きます。

 

救急車は有料なのか?

日本では(今のところ)無料の救急車も海外では有料が当たり前だよ、なんて話ぐらいなら聞いたことがあるかもしれません。

今回僕がお世話になったハンガリーの救急車は有料です。近隣のドイツ、オーストリアあたりも有料。

料金は、例えばフランスだと基本料金60ユーロ+距離料金(2ユーロ/km)の合算。

また公営の救急車と民間の救急車がある国も結構あり、その場合は公営の方が無料or安い代わりに病院を選べなかったりなんていうのもよくあるパターン。

その国の国民は普段から保険料を払っているから無料だけど、旅行者は有料ってケースもあるし、個別の国のケースを詳しく知りたい人は、外務省のサイト内にある世界の医療事情をどうぞ。

 

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