【南米徒歩編03】パイネ一周トレッキング 初日~4日目

      2017/04/27

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朝の7:30、この町に来た時にも利用した丘の上にあるバスターミナルに集合。
大きなザックを背負った人々がすでにたくさん集まっていて、バスは今にも出発するところだ。

最初のバスに全員乗りきれなかったので、僕を含めた残りの人間は7:50頃出発の増発便に乗ることになった。

ネット上の情報などを見ると「宿までピックアップしに来てくれる」とよく書いてあるが、2015年11月現在ピックアップはしていない様子。
バスはどこへも寄らずにまっすぐ町を出て北へ向かった。

 

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パイネ・サーキット

プエルト・ナタレスの町から途中1回の休憩を挟み、バスに揺られて2時間半ほど。

午前10時前にパイネ国立公園の出入口となる、アマルガ湖近くの管理事務所 Porteria Laguna Amarga に到着した。
ここが今回のチャレンジの起点となる。

バスが止まると女性のレンジャーが乗りこんできて、スペイン語と英語で簡単に説明を受ける。

その後全員バスから降りて並び、建物内でまずは入園料$18000(チリペソ)を支払った。

ここで国立公園の地図がもらえると聞いていたが特に何もくれなかった。
言えばもらえたのかもしれないけれど、地図は前日町外れのインフォメーションに行ってもらっておいたので問題なし。

続いてレンジャーから国立公園内における注意事項を聞いたらここでやることは完了。

管理事務所を出れば、そこからは自由。一人二人と皆思い思いにバラけていく。

Wルートを歩く人などは別のバスに乗り換えてさらに奥に行くようだが、サーキット(一周ルート)の僕はここからスタート。

 

Day1 - パイネ・サーキット、スタート

管理事務所のそばにあるトイレで用を済ませ、進む方向を確認して午前10:20頃に出発。

荷物は推定25kg前後。ズッシリと肩に食い込みかなりの重さだが、これに慣れなければならない。

 

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まずは木製の橋を渡り、北西の方角にあるキャンプ地"Seron"を目指して歩を進める。

 

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少し行くと火災によるものなのか、木々が焼けて黒くなっているエリアがあった。
後に聞いたところによると数年前に歩いていたイスラエル人トレッカーの不注意から起きた火災が原因らしい。

この辺りはホーストレッキングのための馬も通るため馬糞もかなり落ちている。

 

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さらにしばらく進むと、木製の杭と鉄条網で出来た柵が目の前に現れた。
放牧用なのか一部階段状になっていて乗り越えられるようになっているが、背中の荷が重いのでバランスを崩さないように慎重に上る。

公園内には時々川があり、越える場合は普通橋がかかっていたり、小さなものだと飛び石があったりするが、この日一回だけそれらが何も無い小川があった。

ちょうど向こう岸で靴を履いていた男性に声をかけると、靴を脱いで歩いて渡ったという。
他に渡れそうなところも無さげなので同じようにしてみたが、水が痛いほど冷たい。
深さは足首が浸かる程度、幅も10m未満なのでまだ良かったが、雨の後など水量が多い時でなくて良かった。

ザックから取り出したタオルで濡れた足を拭いて、ついでに少し休んで昼食代わりのチョコクッキーを食べていると、今度はさっきの男性の連れらしき女性が川を渡ってきたので、2人にもクッキーを勧め少し会話してみた。彼らはドイツ人のカップルらしい。

 

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またしばらく歩き、16時前にキャンプサイト"Seron"に到着。
(※写真を撮りながらゆっくり歩くタイプなので、出発から到着までの所要時間は人より長めのはず。)

ここが有料なのは知っていたが、自前のテント泊で$7500(≒1500円くらい)もするのには驚いた。

画像左側にある緑色のドームは宿泊所。
テント無しでもその分の料金を払えばあそこに泊ることができるし、別棟では食事も出る。
もちろん予約は必須のはずだけど。

風に煽られテントの設営に苦戦していたところ、さっきのドイツ人カップルが手伝ってくれた。
恥ずかしながら自分のテントにまだ全然慣れていなかったのでとてもありがたい。

食事もストーブの使い方に慣れておらず、吹きこぼれたりもしたが何とかパスタが完成。
でもスープの素やコンソメを入れる量が少なすぎたので味はとても薄かった。

そんなこんなでやっと初日が終わる。

 

Day2 - 湖畔のキャンプ地、ディクソンまで

朝、重体なミスに気が付く。

カメラ代わりのiPhoneの充電用に大容量バッテリーを3つも持ってきたはいいが、接続するためのコードを忘れてしまった…!

一瞬「終わった…」と思ったが、誰か同じ型のを持っている人がいるかもと朝食の時に聞いてみると、一人で来ていたドイツ人青年のアレックスが快く貸してくれた。

 

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10時過ぎに出発。
初めの方で結構大きな登りがあった。

普段の自分なら休み休み行くところだが、ここはちょっと頑張ろうと小休止無しで登り切る。

昨日はどんよりとした空だったがこの日は晴れ間も見えた。

 

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しばらく大きな川沿いを歩く。

 

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道を横切るミニサイズの滝。
水を汲んで持ち運べる容器(ペットボトルでOK)さえあれば、パイネ国立公園内では飲み水に困ることはほとんどない。

 

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ルートにはこの様な目印があったりして基本的には分かりやすい。

 

 

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普通はこんな感じで足場が組まれているので、川があっても濡れずに渡れるようになっている。

 

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ルートを通してタンポポがとても多かった。

 

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真ん中の山の手前、湖の中に突き出した半島部分にあるのがこの日のキャンプ地 Dickson (ディクソン)。
よく見るといくつか屋根があるのが分かる。

ここからの景色が素晴らしくてつい30分も眺めてしまった。

 

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17時半に到着。
ここ"Dickson" は$6000と前日の Seron よりも安かった。

奥の小屋は管理棟兼宿泊施設のようだ。着いたらまずここに料金を払いに行く。

支払うと日付けを書いたステッカーをくれるので、それをテントに貼っておくと「支払い済み」という目印になる。

夕食は野外にある木のテーブルで。
近くにテントを張っていたイングランドの父子と相席させてもらい楽しいひと時。

父子二人での初めての旅行だという彼らがちょっとまぶしく見えた。

 

Day3 - 林の中のキャンプ地、ロス・ぺロスまで

天気は快晴、今日は距離的にも比較的楽な日だ。
その分時間に余裕があるのでまずはしっかりと腹ごしらえから。

初日から結構陽に当たったんで顔や手が日焼けでヒリヒリする。
気温が低いのでここまでは塗ったり塗らなかったりだったが、しっかり塗った方が良さそうだ。

 

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食事の際、火を使う時は必ずこのテーブルの上で行うのがここでのルール。

調理用の小屋があり、火の使用はそこでのみOKというキャンプサイトもある。

 

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出発の際、もう一度ディクソンを振り返って写真に収める。
旗は上がチリの国旗で下がここマガジャネス州の州旗。

起きるのは結構朝早いのに、荷物のパッキングやテントの収納に意外と時間がかかって出発が遅くなりがち。
この日も出発は10時半だった。

 

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出発してすぐ、遠くに巨大な岩壁が見えた。
ヨセミテのハーフドームもだけれど、いつかあんな垂直壁を登れるようになってみたい。

 

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川があったので渡る前に水を補給。

 

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パタゴニア名物の強風にやられたのか。
折れている木をちょくちょく目にする。

 

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頭が黄色の杭に標識の付いたものが一定の距離ごとに設置されており、黒抜き部分にある番号が(逆時計回りの場合は)進むごとに1つずつ増えていく。

 

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しばらく登った後、目前で氷河が見れるポイントにたどり着いた。

氷河があるくらいだから寒いんだけど、そこにタンクトップ一枚で登ってくる猛者がいたので声をかけて撮らせてもらった。
彼らはカリフォルニアから来たらしい。

 

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氷河から少し行ったところが本日のキャンプ地 Los Perros (ロス・ぺロス)。
到着したのは15時過ぎ。

ここは$4500(≒900円くらい)と前の2つより安いけど、その分シャワーも温水は無くて冷水のみ。
皮膚の分厚い欧米人でも無理な水温のようなのでシャワーは早々に断念した。

この時期のパタゴニアは日が沈むのが21時過ぎ、実際に暗くなるのは22時くらいとかなり日が長い。
その時間を使い日記を書いたりして過ごす。

初日にイバラで刺した指が腫れてきた。
それほど大したことはないけれど、触ると痛い。

明日はこのパイネ・サーキットで一番ハードだと言われる峠越えの日。
6時間はかかるとか。

最後尾に一人だと何かあった時に誰にも気付いてもらえず危険なので、ソロなら明朝8時前には出発するよう管理人のダニーに言われる。

夜中、強風がゴウゴウと唸りをあげ木々の枝を揺らしていた。

 

Day4 - 峠越え、そしてグレイ氷河

パイネサーキット最大の難所である峠越えの日ということで、早めに起きて8時前に出発。

11月下旬のこの時期、峠にはまだ(南半球なので季節は日本と逆)かなり雪が積もっていたが、踏み跡があるのでそこをトレースして行けば大丈夫らしい。

 

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キャンプ地を出てすぐに登りが始まる。右下にあるのは現在地や標高、距離を示す案内板。

 

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いきなり雪深くなってきた。
写真前方に見えるのは木の枝。
地上よりかなり上の部分なので、数メートルは雪で埋まっているようだ。

踏み跡からズレてしまわないように注意深く歩く。

 

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アイゼンは無くても行けると聞いていたが、見た目は完全に雪山登山。

でも慎重に踏み跡をトレースして行ったのでミドルカットのトレッキングシューズだけで大丈夫だった。

踏み跡を外れて雪がまだ柔らかい部分を踏んでしまうと足が膝くらいまでメリ込むので、ストックがとても役に立つ。

 

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点在する赤い目印を頼りに登って行く。

 

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やっと峠にたどり着いた。
標高約1200mでこのルートの最高地点でもある。

そこには石を積んだ塚があり、棒に巻きつけられた様々な布がチベットのタルチョのように強風に舞っていた。

ここで一組のチリ人カップルと遭遇。
彼女の方が疲労と寒さで座り込んでいた。

強い風が吹き続けるここにいれば、いるだけでさらに体力を消耗する。

僕はザック内にカイロがあったことを思い出したのでそれを彼女に渡し、揉んでいれば少しずつ暖かくなると教えた。

反応から察するにカイロを知らないようだったが、しばらくすると暖かくなったのか、重い腰を上げゆっくりと峠を下って行った。

 

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峠を越えると目に飛び込んできたのが一面巨大な氷河という絶景。

このグレイ氷河は右から左に少しずつ、目に見えない速度で動いていて、その先の湖まで繋がっている。

ここまで来ればあとは下るだけと気楽に考えていたが、こちら側は雪が柔らかくベチャベチャ。
非常に滑りやすくなっていてより一層の注意が必要だ。

幸い解けかけた雪のエリアは短かったんで助かったけど、あれが長かったらかなり厄介だった。

その後雪は見かけなくなり、あとは林の中をひたすら下りてゆく。

 

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14時過ぎ、林の中に突如現れたキャンプサイト Paso(パソ)に到着。

予定ではこの日は無料サイトであるここに泊まるつもりだったが、思いの外早く着いたことと、先にたどり着いたはずの誰ひとりとして泊まらず全員がスルーしていたので、自分も頑張って先を目指すことにした。

 

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Paso を出てすぐのところにこれまた氷河一望の絶景ポイントがある。

もしここにテントを張っても良いのなら、予定を一日延ばしても泊まりたいような特等席。
しばらくはずっとミラドール(展望台)が続くような状態で氷河を右手に見ながら下りていった。

 

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高所恐怖症の人なんか大丈夫!?っていうような大きな吊り橋。
実際かなり揺れる。

 

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Paso から1~2時間歩くと Guardas というキャンプサイトがあるはずだったが、今はもう閉鎖され宿泊禁止になっていた。

 

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2つ目の吊り橋も渡って19時頃、やっとキャンプサイト Gray(グレイ)に到着。
雪の峠を越え、さらに予定よりも1つ先まで歩いたので今日は本当に疲れた。

ここからはW(ダブル)ルートとの共通エリアに入るので人も多く、このキャンプサイトもかなり広い。
施設も立派で売店やレストランまであった。

サイトの使用料は$6000、ここはカード払いもOK。

 

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スマホのカメラでは丸く写らなかったが、この日の月はほぼ満月。
行動時間は今回のパイネサーキット最長の11時間だった。

 

【4】パイネ一周トレッキング 5日目~最終日 へ続く

 

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