【南米徒歩編06】パイネ国立公園からウシュアイアへ

      2017/10/29

これまでの人生で最長でも2泊3日までだった山歩き。

それがいきなり7泊8日。

当初予定していた10日間より2日短くなったとはいえ、一週間超える山行の負担はけして小さくはない。

連日のアップダウンで痛めた左足を庇いながらヒョコヒョコと歩く状態だった僕は、プエルト・ナタレスの町で数日休養することにした。

その間は食糧を買い足したり情報収集をしたり。もちろん栄養補給も大切なので、トレッキング中ほとんど食べられなかった肉や生野菜も意識して摂った。

2日もすると足の傷みもほぼ無くなってきたので、なんとか問題無く出発することができそうだ。

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まずは再びパイネ国立公園へ

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後半戦のスタートは先日帰りのバスに乗った場所、パイネ国立公園のあの管理事務所前から。

画像の地図は黄色部分がチリ領で、パイネは上端ギリギリで図から外れている。

まずはパイネからプエルト・ナタレスまでルート9を100km超南下し、さらにそのままルート9に沿って南東へ。プンタ・アレナスの手前で北東へ向かうルート255に進路を変え、マゼラン海峡の一番狭い部分をフェリーで渡る。

フエゴ島に入ってからはルート257を南下、海の近くまで来たところで進路を東に転じてそのままアルゼンチン領へ。以後はルート3を南下というコースを予定。

途中通れないなどのトラブルが無く、予定通りいけばいいんだけど。

 

まずは再びパイネ国立公園に行くために、宿のスタッフにバスの片道切符の手配を頼む。

すると「本当に歩いてウシュアイアまで行く気なのか!?」とかなりの変人扱いされた。当たり前か。

でもこちらが本気だと分かると$8000(チリペソ)で手配し、「気を付けてな」と言ってくれた。

 

後編 1日目

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トレス・デル・パイネ国立公園を一周するトレッキング「パイネ・サーキット」を終え、プエルト・ナタレスの町に帰ってから3日後。

僕は同じバスに揺られて再びパイネ国立公園の出入口、アマルガ湖から近い管理事務所にやってきた。

 

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パイネ国立公園に入る人は全員立ち寄らなければいけない入園のためのチケット売り場であり、先日までのトレッキングのスタート地点。

僕以外の全員が国立公園内を歩くためのレクチャーを受けてチケットを買うための列に並んでいる中、ただ一人僕は今バスで来た道を戻る方向に歩きだす。

ここから徒歩で南米大陸最南端の町まで到達してはじめて、4つのチャレンジのうちの最初の1つが達成ということになる。

 

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ちなみに荷物はトレッキング時の大型ザックに加え、今回はキャリーカートも使って運ぶ。

後ろ手に引く金属製のキャリーには、町のスーパーでもらってきた段ボール箱を二段重ね。水の入ったペットボトルや箱入りのワインなど、重い物はなるべく下段に載せる。段ボールの上にはさらにテントなどを乗せている。

パイネ国立公園内では一部を除きほとんどの場所で流れている水を飲むことができたが、これからは水も自分で持ち歩かなくちゃいけないのでどうしても重くなる。

パイネ周辺の道は砂利道になっているのでキャリーの車輪に抵抗がかかり、実際よりもさらに重く感じた。

あっという間に大量の汗が噴き出してきて、本当にこれでここから900kmも歩いていけるのか自信が無くなりそうになるが、それでも自分で決めたこと。一歩一歩進むしかない。

しばらくは川を左手に見ながら、キャリーを転がす…っていうよりも回らない車輪ごと力一杯引きずりながら歩いていく。

 

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これが本当にキツくて、ほぼ100mごとに一度手を離して呼吸を整える必要があるほど。

最初の2時間で4km弱しか進めなかった時はどうしようかと思ったが、徐々に慣れたのか少しずつだがペースも上がってきた。

 

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道の脇にいたグアナコの群れ。歩く人間が珍しいのか全員でジッとこちらを見ていたが、ある程度まで近づくと一斉に逃げ出す。

ふと見上げると、どんよりしていた空はいつの間にか晴れていた。

 

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トレッキングのルートと違い、この辺りを歩く人間なんて当たり前だけど僕以外誰もいない。なのですれ違うバスからも物珍しそうに見られる。

 

歩いていて大変なのは砂埃。

車が通り過ぎる度に巻き上げられた砂埃が襲いかかり、車が通らなくても風が吹けばやはり舞い上がる。

パタゴニアを最南端まで歩く

全身砂まみれになるし、直撃を受けると目も開けていられない。荷物もすっかり薄汚れてしまった。

 

19時まで必死に歩いてこの日の進捗は約22km。

道の脇、背の低い植物が生い茂っている中でなんとかテントが張れそうなスペースを見付けた。

テントを張るとパスタを作り簡単な食事を済ませる。そして疲れ切った身体を横たえた。

 

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