【南米徒歩編03】パイネ一周トレッキング 3日目~4日目
2017/09/23
Day3 - 林の中のキャンプ地、ロス・ぺロスまで
天気は快晴、今日は距離的にも比較的楽な日だ。
その分時間に余裕があるのでまずはしっかりと腹ごしらえから。
初日から結構陽に当たったんで顔や手が日焼けでヒリヒリする。
気温が低いのでここまでは塗ったり塗らなかったりだったが、しっかり塗った方が良さそうだ。
食事の際、火を使う時は必ずこのテーブルの上で行うのがここでのルール。
調理用の小屋があり、火の使用はそこでのみOKというキャンプサイトもある。
出発の際、もう一度ディクソンを振り返って写真に収める。
旗は上がチリの国旗で下がここマガジャネス州の州旗。
起きるのは結構朝早いのに、荷物のパッキングやテントの収納に意外と時間がかかって出発が遅くなりがち。
この日も出発は10時半だった。
出発してすぐ、遠くに巨大な岩壁が見えた。
ヨセミテのハーフドームもだけれど、いつかあんな垂直壁を登れるようになってみたい。
川があったので渡る前に水を補給。
パタゴニア名物の強風にやられたのか。
折れている木をちょくちょく目にする。
頭が黄色の杭に標識の付いたものが一定の距離ごとに設置されており、黒抜き部分にある番号が(逆時計回りの場合は)進むごとに1つずつ増えていく。
しばらく登った後、目前で氷河が見れるポイントにたどり着いた。
氷河があるくらいだから寒いんだけど、そこにタンクトップ一枚で登ってくる猛者がいたので声をかけて撮らせてもらった。
彼らはカリフォルニアから来たらしい。
氷河から少し行ったところが本日のキャンプ地 Los Perros (ロス・ぺロス)。
到着したのは15時過ぎ。
ここは$4500(≒900円くらい)と前の2つより安いけど、その分シャワーも温水は無くて冷水のみ。
皮膚の分厚い欧米人でも無理な水温のようなのでシャワーは早々に断念した。
この時期のパタゴニアは日が沈むのが21時過ぎ、実際に暗くなるのは22時くらいとかなり日が長い。
その時間を使い日記を書いたりして過ごす。
初日にイバラで刺した指が腫れてきた。
それほど大したことはないけれど、触ると痛い。
明日はこのパイネ・サーキットで一番ハードだと言われる峠越えの日。
6時間はかかるとか。
最後尾に一人だと何かあった時に誰にも気付いてもらえず危険なので、ソロなら明朝8時前には出発するよう管理人のダニーに言われる。
夜中、強風がゴウゴウと唸りをあげ木々の枝を揺らしていた。
Day4 - 峠越え、そしてグレイ氷河
パイネサーキット最大の難所である峠越えの日ということで、早めに起きて8時前に出発。
11月下旬のこの時期、峠にはまだ(南半球なので季節は日本と逆)かなり雪が積もっていたが、踏み跡があるのでそこをトレースして行けば大丈夫らしい。
キャンプ地を出てすぐに登りが始まる。右下にあるのは現在地や標高、距離を示す案内板。
いきなり雪深くなってきた。
写真前方に見えるのは木の枝。
地上よりかなり上の部分なので、数メートルは雪で埋まっているようだ。
踏み跡からズレてしまわないように注意深く歩く。
アイゼンは無くても行けると聞いていたが、見た目は完全に雪山登山。
でも慎重に踏み跡をトレースして行ったのでミドルカットのトレッキングシューズだけで大丈夫だった。
踏み跡を外れて雪がまだ柔らかい部分を踏んでしまうと足が膝くらいまでメリ込むので、ストックがとても役に立つ。
点在する赤い目印を頼りに登って行く。
やっと峠にたどり着いた。
標高約1200mでこのルートの最高地点でもある。
そこには石を積んだ塚があり、棒に巻きつけられた様々な布がチベットのタルチョのように強風に舞っていた。
ここで一組のチリ人カップルと遭遇。
彼女の方が疲労と寒さで座り込んでいた。
強い風が吹き続けるここにいれば、いるだけでさらに体力を消耗する。
僕はザック内にカイロがあったことを思い出したのでそれを彼女に渡し、揉んでいれば少しずつ暖かくなると教えた。
反応から察するにカイロを知らないようだったが、しばらくすると暖かくなったのか、重い腰を上げゆっくりと峠を下って行った。
峠を越えると目に飛び込んできたのが一面巨大な氷河という絶景。
このグレイ氷河は右から左に少しずつ、目に見えない速度で動いていて、その先の湖まで繋がっている。
ここまで来ればあとは下るだけと気楽に考えていたが、こちら側は雪が柔らかくベチャベチャ。
非常に滑りやすくなっていてより一層の注意が必要だ。
幸い解けかけた雪のエリアは短かったんで助かったけど、あれが長かったらかなり厄介だった。
その後雪は見かけなくなり、あとは林の中をひたすら下りてゆく。
14時過ぎ、林の中に突如現れたキャンプサイト Paso(パソ)に到着。
予定ではこの日は無料サイトであるここに泊まるつもりだったが、思いの外早く着いたことと、先にたどり着いたはずの誰ひとりとして泊まらず全員がスルーしていたので、自分も頑張って先を目指すことにした。
Paso を出てすぐのところにこれまた氷河一望の絶景ポイントがある。
もしここにテントを張っても良いのなら、予定を一日延ばしても泊まりたいような特等席。
しばらくはずっとミラドール(展望台)が続くような状態で氷河を右手に見ながら下りていった。
高所恐怖症の人なんか大丈夫!?っていうような大きな吊り橋。
実際かなり揺れる。
Paso から1~2時間歩くと Guardas というキャンプサイトがあるはずだったが、今はもう閉鎖され宿泊禁止になっていた。
2つ目の吊り橋も渡って19時頃、やっとキャンプサイト Gray(グレイ)に到着。
雪の峠を越え、さらに予定よりも1つ先まで歩いたので今日は本当に疲れた。
ここからはW(ダブル)ルートとの共通エリアに入るので人も多く、このキャンプサイトもかなり広い。
施設も立派で売店やレストランまであった。
サイトの使用料は$6000、ここはカード払いもOK。
スマホのカメラでは丸く写らなかったが、この日の月はほぼ満月。
行動時間は今回のパイネサーキット最長の11時間だった。
【南米徒歩編04】パイネ一周トレッキング 5日目~6日目 へ続く
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