【南米徒歩編04】パイネ一周トレッキング 5日目~6日目
2017/09/23
雪の残る峠を越え、足元に広がる雄大なグレイ氷河を眺め、2つの大きな吊り橋を渡ってキャンプサイト Gray(グレイ)までたどり着いた4日目。
行動時間が11時間に及んだこともあってかなり疲れを感じたので、晩はしっかりと栄養と休息を取った。
Day5 - Wの中心部、イタリアーノへ
オートミールにレーズンやナッツを入れたもので朝食を済ませた後、荷物を置いてキャンプサイトのそばにあるミラドール(展望台)に行ってみた。
このミラドールからは昨日見た氷河の末端、グレイ湖と接するところが見える。
湖に浮いている氷河のカケラが岸に流れ着いていた。
カップと酒があれば贅沢な氷河のロックが飲めたのに、手ぶらで来てしまったのが悔やまれる。
一度キャンプサイトに戻り、荷物を背負って出発したのが10時過ぎ。
その直後、キャンプサイトに隣接する宿泊棟の脇で小さなキツネを発見。サイズは猫くらいだった。
少し進んだ先にあった別のミラドール。ここからもグレイ湖が良く見える。
prickly heath、日本名でシンジュノキ。
この植物もパイネ国立公園にはよく生えていた。
右肩に痛みが出てきたので小休憩を多めに取る。
この日もかなり歩いたからか、それとも昨日の疲れが取れていないのか。太腿も結構キテる。
気付くと首の後ろがヒリヒリしていた。
汗もかくし日焼け止めは何度も塗らないと。
ペオエ湖が見えてきた。
湖畔には大きなホテルのような建物があり、その脇がキャンプサイト Paine Grande(パイネ・グランデ)になっている。
14時頃、ペオエ湖畔の船着き場に到着。Wルートで回る人が初日に船でここまで来るケースも多い。
ベンチ代わりに座らせてもらって30分ほど休憩し、クッキーを食べてエネルギー補給。
ペオエ湖はとても青かった。
写真では判りづらいが日本ではあまり見ないミルキーな青だ。
湖を左に回り込むように進んでゆく。
ここからは山に向かって雄大な景色が続く。
不思議な雲。
ラピュタに出てくる龍の巣のようだ。
まるで巨大な要塞のようにそびえるクエルノス・デル・パイネ。
パイネを代表する山の1つ。
日本語に訳すと「パイネの角」。
ペオエ湖の船着き場から3時間ほど歩き17時半を回った頃、この日泊まるキャンプサイト Italiano(イタリアーノ)に到着。
ここは無料なのでありがたい。
パイネの無料キャンプサイトには水の出る蛇口は無く、どこも川から直接水を汲むようになっている。
屋根の付いたこの建物は、キャンプサイトの調理小屋。
狭いので調理が終わったらすぐにスペースを空ける配慮が必要だ。
食べる際は外に出て、ベンチは少ないので石とか木とか適当なところに座る。
夜、風が強くなってくると、木々の上をジェット機が通るような音が響いた。
音だけのことも多いが、一定の間隔でものすごい突風が来てテントがガタガタと揺れる。
MSRのテントは居住性が良い代わりに風に強い構造にはなっていない。
壊れやしないか心配しながらもいつの間にか眠っていた。
Day6 - 強風の中、やっとたどり着いたロス・クエルノスでなんと…
そして朝、何とか飛ばされず無事テントの中で目覚めることが出来た。
正直あんな風に耐えられるとは思っていなかったので、予想以上の耐風力と喜んでいたらポールが気持ち曲がっていた。
やはり限界が近かったらしいが、持ちこたえてくれただけありがたい。
今朝はまずこの上にある Mirador Britanico(ミラドール・ブリタニコ)へ。
8時40分頃出発。荷物は置いたまま身軽になって登ってみた。
登り始めて2時間、Mirador Britanico に到着。
その案内板に修正の跡が見える。
以前はここがキャンプ地で、さらに1kmほど上がミラドールだったらしいが、現在は立ち入り禁止のテープが張ってあってこれ以上は進めなくなっている。
Mirador Britanico は人が乗れるような大きな岩がゴロゴロとしていて、雰囲気としては屋久島にある白谷雲水峡(苔は無いけれど)の太鼓岩近辺のようだ。
同じルートで周っているうちに顔なじみになったいつものドイツ人トレッカー達と記念撮影。
普通は下りる時の方が早いはずなのに、ここは帰りもキッチリ2時間かかった。
下りはどうしても関節に負担がかかる。
段々と右の足首と膝に痛みが出てきたが騙しながらいくしかない。
Italiano に置いてきた荷物を回収して東へ。
見えてきた Lago Nordenskjöld もまたミルキーな色をした湖だ。
イタリアーノの管理小屋に張ってあったボードには日々の風速が書いてあって、それによると昨日は時速69kmで今日は時速70km。
これは日本で一般的にいう風速に直すと約20mで「身体を60度に傾けないと立っていられない。子供は飛ばされそうになる。」レベルらしい。
実際風はかなり激しく、強く吹くタイミングでは動きを止めて踏ん張らないと男でも倒されそうになるほど。
上の写真を見ると湖の奥の方が白く霞んでいるのが分かると思うけれど、これは強風で湖面の水が巻きあげられているから。
パイネでは小雨が降ってきたかと思うと、それが巻き上げられた川や湖の水ということがよくあって、水面から数十メートル高い位置まで飛んでくることさえ普通にある。
18時頃、この日のキャンプ予定地 Los Cuernos(ロス・クエルノス)に到着した。
ここはレストランまで併設したかなり大きなキャンプサイトだが、なんと人数が多すぎてキャパシティオーバー。
地面に直にテントを張るタイプの普通のキャンプサイトなら、人が増えても詰めれば何とでもなるが、ここはちょうど1つテントを張れるぐらいのウッドデッキが用意されているタイプなので決まった人数しかテントを張ることが出来ない。
おいおいどうすんの!?って感じで管理事務所の前には20人以上が詰めかけていた。
幸い仲良くしていたドイツ人カップルが早く到着して場所を確保していていたので、僕は彼らの取ったウッドデッキの脇にテントを張らせてもらうことが出来たが、どこにも場所が無い人たちはキャンプサイトを出るようスタッフに指示され、近くのビーチや山道でテントを張ったらしい。
何とかテントは張れたもののとにかく人が多く、キッチンはいくら待っても一切空く気配が無い。
仕方がないのでこの日は、夕食代わりにサラミをかじってはピスコを舐め、空腹をごまかして眠ることにした。
【南米徒歩編05】パイネ一周トレッキング 7日目~最終日 へ続く
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