【欧州自転車編04】メテオラ、奇岩の上の修道院
2017/06/24
もうすぐ19時、6月の長い陽もそろそろ傾いてきた。
正面奥に見える岩山の辺りがおそらくメテオラ。
カランバカ(Kalambaka)の町はその麓にある。
疲れの溜まった脚に力を込め、僕は自転車のペダルを再び漕ぎ出した。
※画像が暗く感じる人は…
スマホで見ている人に多いんですが、「画面の明るさ調整」をすると画像本来の明るさで見ることが出来ます。
19時過ぎにやっと予約しておいたカランバカの宿に到着。
宿のおばちゃんはフレンドリーでよく喋る人。
アテネから一週間かけて自転車で来たと言ったら驚かれた。
積んでいた荷物を部屋に運び入れてシャワーで一週間分の汗を流し、さっぱりしたところで町を歩いてみる。
夕方の広場は沢山の家族連れで賑やかな様子。
串焼きの店でエネルギーを補給して体力の回復を図る。
明日はいよいよメテオラ、岩山の上にそびえる修道院を見てこよう。
本日の走行距離 78km
アテネからの合計 503km
8日目 - ギリシャ
今日は自転車はお休み。
宿のおばちゃんが「もし良かったら一人4ユーロで修道院のある山の上まで車で送ってあげる」というので、ドミトリー同部屋の2人と一緒に行ってみた。
9時過ぎに到着。
観光バスがたくさん止まっている辺りで降ろしてもらうと、そこにあったのが…
どん!
これがその岩山の上に建つ修道院。
この地域にあった奇岩群に最初に修道士が住み始めたのが9世紀。
その頃は自然の岩の裂け目や洞窟で暮らしていたらしいが、14世紀頃に修道院共同体が成立したらしい。
一帯には同じように岩山の上に建てられた修道院がいくつもあって、それらが総称してメテオラと呼ばれている。
まるで要塞のような威容を誇るメタモルフォシス修道院(大メテオロン修道院)。
6つあるメテオラの修道院の中でこの修道院が一番大きい。
昔は左の塔のような部分からロープを降ろして荷物を引き上げていたんだとか。
繰り抜かれ、石畳が敷かれた通路を通って内部に入る。
光を取り込むための大きな窓。
断崖絶壁ギリギリに建っているのが分かる。
この修道院はかなり広くて中庭もあった。
岩山の頂上に修道院があるのも珍しいが、建物そのものもなかなかに見応えがある。
当時使われていた道具が置かれたキッチン。
こちらの部屋では水やワインが保管されていたんだろうか。
歴代修道士の納骨堂なのか、たくさんの頭蓋骨の置かれた部屋もあった。
メテオラから見下ろすカランバカの町。
上ってきた階段を下りて次の修道院へ。
お隣のヴァルラアム修道院。
時間などの関係でここは外から撮るだけ。
次はアギア・トリアダ修道院へ。
ここもまた上りがキツい。
岩を繰り抜いて造った通路。
ここで物を落としたら諦めるしかない。
荷物を吊り上げるのに使われていた滑車とフック。
山頂だけあって見晴らしはどこも抜群。
そそり立つ垂直の岩壁。
帰る際に出入口でくれたお菓子。
麩のように柔らかくて砂糖がかかっているのか甘かった。
日向は相当暑いが、日陰はひんやりしていて快適。
石段を降りて次の修道院へ向かう。
途中、レンタカーで近辺の国を回っているという日本人男性と出会い一緒に行くことになった。
最後に寄ったのはルサヌ修道院。
小さいけれど立体感のある庭が美しい女子修道院だ。
これは土産用に販売されていた小石で、手書きの絵がとてもいい味を出している。
これを買おうか迷ったんだけど、僕は身に着けるものが欲しかったのでミサンガにしておいた。
それを足首に着けてアンクレットにする。
【アクセス】
ちなみに町からメテオラまではバスだと約20分だが、運行が一日2本程度と利便性は低い。
徒歩ならバスと同じルートで1時間、急斜面を登る階段を使えばアギア・トリアダ修道院まで30分とか。
それぞれの修道院の距離も徒歩だとそれなりにあるので行く人はそのつもりでどうぞ。
入場料は2016年6月現在、各3ユーロ。
現在修道院は全部で6つあるが、暑い中階段を上るのも毎回しんどいし、個人的にはこれぐらいでもう十分満足。
帰りは3人そろって日本人男性のレンタカーで町まで乗せてもらった。
15時ごろには宿に戻り、しばし休憩。
ベッドに転がってこの先のルートをどうしようか考えていたが、カランバカ→コザニ→国境→ビトラ→オフリド、というコースで行くことに決めた。
晩は今日一緒にメテオラを回った同部屋の2人と近所の串焼きの店へ行き、ひさしぶりの会話のある食事を楽しんだ。
明日からはまた移動。
次の国、マケドニアまではあと少し。
本日の走行距離 0km
アテネからの合計 503km
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