【北海道一周ヒッチ1】北海道を一ヶ月かけてヒッチハイクで回った話
2018/04/15
これは僕が初めて日本国内を1ヶ月以上の長期で旅した時の話。
当時の日記と記憶を元に、改めてここに書いてみようと思います。
今とは一人称や文体が違ったりしていてちょっと恥ずかしいんですが、あえてそのまま載せているところもあるのでご了承下さい。
日本一周するならまずは北海道から
ヒッチハイクで旅をするのはニュージーランドを一周した時以来、これで2回目。
どうせなら日本もヒッチで一周してみようと思い立つ。
地元大阪からまずは一気に北上し、北海道をぐるりと一周。
その後に青森、秋田など全国47都道府県すべてを訪れながら南下しつつ、四国、九州…そして沖縄まで。
そんなプランを立てた。
使える日数の関係上、北海道を周り終わったら一度大阪に帰り、続きは改めて出直す計画になっています。そのため、ここではまず北海道一周編に絞って掲載します。
なぜヒッチハイク?
せっかく知らない土地へ行くのなら、ただ景色を見るだけじゃなく出来るだけその土地の人たちと関わりたい、触れ合いたい。
そう思っている自分にとって、まさにうってつけなのがこのヒッチハイクという手段。
とはいえ国内でのヒッチハイクは初めてなだけにまだちょっと未知数。
果たしてヒッチハイカー慣れしていないこの日本で、どれぐらいの人が見知らぬ他人を乗せてくれるのか……不安はあるが、これも興味の1つ。
準備
用意した物はこれぐらい。
- 大きめのバックパック
- 寝袋(シュラフ)
- 数日分の着替え
- 洗濯用に粉末の洗剤
- スケッチブックと極太マジック
煮炊きはせず、食事は買うか食堂なんかで食べるつもりなので、バーナーやクッカーなどの調理用器具は無し。
夜は主にベンチなどで寝るつもりなのでテントも無し。
ガスや水道、電気の手続きを済ませ、部屋も引き払った。
いよいよ旅が始まる…!
出発の日、いきなり野宿
9月の中旬、出発初日。
枯れ草の上に寝転びながら、久しぶりに空を見上げている。
思いのほか風が涼しく、夏の終わりを実感させられる。
今日は野宿。
初日からするとは思わなかったが…
いや、宿に泊まらない以上は当然野宿はするつもりだったんだけど、なんて言うか屋根もベンチすらも無いほんとの素野宿、要するに地ベタに寝ることになるとは思っていなかった。
思ってはいなかったんだけど、意外なほど気持ちがいい。
草の上に座りバックパックにもたれれば、寝袋すら必要なさそうだ。
一人の夜。
目の前を走りゆく車と、それをぼんやりと照らすオレンジ色の街灯。
その幻想的とも言える光景を見ていると、いつになく心が落ち着いてくる。
いい夜だ。
……ここがまだ大阪だということを除いては。
誤算
正直日本でのヒッチハイクを舐めていた。
治安はいいし、言葉だって100%通じる。
ヒッチ文化が浸透していない分乗せてもらいにくいのは予想していたが、まさかここまでとは…。
初日にしてニュージーランドでの待ち時間最高記録(約4~5時間)をあっさり更新。
まずは高速に乗ろうと某幹線道路で昼前から始めて夕方まで待ってみたが、一切誰にも乗せてもらえず。
この頃はまだ日本のヒッチハイクの定石が分かっておらず、今考えたら「そりゃ無理だろ」という場所で車を待ったりしていました。
どこで待つか。
当たり前だけど、これがめちゃくちゃ大事です。
その後、高速の手前まで歩いていって夜間ヒッチを試みるも、反応悪く諦めて就寝。
涼しくてちょうどいいと思っていた気温は段々と下がり始め、バックパックにもたれている体も痛くなってきて30分おきぐらいに何度も目覚める。
1枚着て2枚着て、最終的にはしまうのが面倒で温存していたはずの寝袋を引っ張り出すはめになった。
だが横になって柔らかいものに包まれているとやはり格段に眠りやすい。
今度は朝までぐっすり熟睡した。
旅の初日はこんな感じ。
< 今日の移動距離 >
大阪から動けず 0km
大阪脱出!
2日目の朝、新聞配達の人がくれた新聞で首相緊急辞任の報を知る。
今日こそはということで、より一層のさわやかスマイルを心がけて高速の入口でヒッチを始めるも、やはりなかなか止まってもらえない。
虚しく小一時間ほど過ぎたころ、颯爽と警備の人&ポリさんが登場。
「ここでのヒッチハイクは危ないので~」と言われやむなく退去。
高速の詰所でトイレ等を借り、しばし休憩しつつ作戦を練る。
再スタート
一般道に戻り100%のスマイルで行き先を書いたスケッチブックを掲げるも、誰一人止まる気配すらなく…
そう思っていた矢先、ついに1台の車が停車!
昨日から通算10時間?12時間?で初めてのことだ。ついに高速道路という土俵に上がる事ができるのか!?
止まってくれたのは20代半ばぐらいのカップルで、ヒッチハイクで日本一周する計画などを話すと非常に興味深く聞いてくれた。
が、話は弾むも目の前の名神高速には乗らないとのこと…
握手をして別れる。無念。
一気に上がったテンションが同じ角度で急降下していた俺の前に5分後、また1台別の車が停車した。
昨日からの状況を伝えていた友達の車だ。
「ちょっとヒッチハイクで行ってくる」という俺を面白がって、「現状どう?」なんて何度も連絡をくれていた彼。
一般道からのスタートを諦めた俺は、起死回生の手段として名神高速のサービスエリアまでその友達に乗せてもらうことにした。
高速の上り線にさえ乗ってしまえば周りはみんな東京方面へ上っていく車ばかりなので、後は何とかなるだろう。
少しでも見てもらいやすいようにと途中の店で一回り大きなスケッチブックを探し、水分補給用の2Lのドリンクも買って、準備万端のリスタートだ。
初乗車
SA(サービスエリア)の出入口、必ず皆が通る位置に陣取って、行き先を書いたスケッチブックを持ち座る。
しばらく待つが声が、掛からない状況にちょっと反省。
昨日の遅れを一気に取り戻そうとして「東京」なんて書いたのはちょっと無茶だったか。
欲張るのをやめて別のページに「京都」と書き直す。
するとその直後、20代ぐらいの爽やかなカップルが向こうから声をかけてくれた!
彼らの行き先を聞いてみると、これがまさに京都。
彼らの見た文字が「東京」だったらおそらく声はかからなかったわけで……ホント、書き直してよかった。
国内初のヒッチハイク成功体験に少し浮かれながら、京都へ向かう道すがら色んな話をした。
どこから来たのか(まさにスタートしたところなんだけど)、どこまで行くのか、何でこんな旅をしているのか、etc.
2人とも楽しく聞いてくれてとても話しやすかった。
なんて言ってる間に京都は桂川PA(パーキングエリア)へ到着。
心よりお礼を言って別れる。
京都から名古屋へ
一度成功したことで自信も付いてきた。
別れ際にもらった饅頭を食べながらまたPAの出入口で待つが、昼の日差しは今日もジリジリと焼け付くようだ。
たまらずいったん日陰のベンチまで退去。
そこに座っていたおじさんたちと話が盛り上がっていると、置いておいたスケッチブックを見て若い男の人が声をかけに来てくれた。
おじさんたちと別れてその人の車の方に行ってみると、今度は若い男性の3人組。
関西から名古屋まで、ただ味噌カツを食いに行くらしい。
そういうノリ、嫌いじゃない。笑
その彼らとまたあれこれ話しながらの賑やかで楽しい道中。
名古屋の少し手前のSAで降ろしてもらい、次の行き先を太いマジックで書いていると近づいてくる人物が。
学生らしき彼もなんとヒッチハイカーで、地元長野を目指して帰る途中だという。
ここからは東京行きは多いがそっち方面は少ないらしく、なかなか苦戦している様子。
それでも俺がのんびりとトイレに行っている間に彼の姿が消えていたので、上手い具合に出発できたようだ。
夕刻
この時点で夕方およそ5時過ぎ、段々と日が落ちてきた。
俺ももう1回ぐらい進めればと思う反面、今日はもうここまでかなとも思っていた。
トイレの前でスケッチブックを広げてアピールしつつ、「寝袋どこに敷こう」なんて考えながら目が合ったスーツのおじさんに軽く話しかけたが、おじさん無言のままトイレに入ってしまう。
駄目だ、やっぱり今日はもう寝よう。
と思っていたその時、トイレから出てきたさっきのおじさんと再び目が合った。
ついで彼の口から放たれたのはたったの一言。
「乗れ」
…おぉ!
何かカッコイイんですけど!?
俺はお礼を言ってすぐに車に飛び乗った。
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