【レビュー】カリマーのリッジ40と30、新旧モデルの違いや使い方
2018/03/07
カリマーはイギリス発祥のアウトドアブランド。それを示すようにロゴはユニオンジャック風になっています。
そのカリマーの代表作、リッジ30とリッジ40が2016年にリニューアルしたのでその変更点をおさらいすると共に、リッジを何年も使っている僕がザックの機能面の解説と共に、実際に利用してわかったメリットやデメリットもお伝えしていきます。
検討中の人の参考になれば幸いです。
New リッジ(ridge)8つの違い
リッジはカリマーを代表するザックとして1999年から販売されています。
2016年にはカリマーのブランド創設70周年ということで、リッジも大きな改良を加えられてリニューアル。
より背負いやすく疲れにくいザックに生まれ変わりました。
1.重心
重心をより高くすることによって、背中のフィット感を向上させました。ボディの形状を見直した結果、荷が重い場合でも背中側に引っ張られることなく快適に歩くことが出来ます。
2.リッドのデザイン
リッド(天蓋)にヘルメットを収納しやすいよう空間を広く取り、ヘルメット用ループが新設されました。
3.ヒップベルト
ヒップベルト(ウエストベルト)のフィット感がより一層向上。しっかりと腰で支えられるザックは、肩への負担を軽くすることが出来ます。
4.バックパネルとパッド
さらなる背面のフィット感を求めてコンフォートインナーパネルを新設計。通気性を確保するセンターチムニーに考え抜かれたパッド配置など、従来型よりもワンランク上の構造を実現しました。
5.コンプレッションシステム
荷物が少ない場合でもザックに無駄な空間が生まれないよう、サイドとトップにコンプレッションベルトを装備。
これで本体を絞ることでザックの重心を背中側に引き寄せると共に、ボトム部を上に向かって引き上げることが出来るので、ザックがしっかりと安定します。
6.ショルダーハーネス
チェストストラップをワンタッチで着脱できるものにした上で、留めた際の首と肩への干渉を極限まで減らすため、ショルダーハーネスの形と角度を見直しました。
7.本体素材
新しく採用されたタスランナイロンは軽量なのに高い強度を持っており、ハードな屋外仕様にも高い耐久性を誇ります。構造も見直された結果、旧モデルよりも200g軽くなっています。
8.2タイプから3タイプに
これまでは背面長の違いによってタイプ1と2に分かれていましたが、さらに今回3タイプに増えたことで、より自分に身長に合ったものを選べるようになりました。
その他の変更点
以前はフロントポケットへのアクセスが左右両側のチャックからだったんですが、新しくなったリッジはチャック位置が正面に変わりました。リッド(天蓋)の上部にあった2つのベルトも無くなっています。
New リッジの仕様
サイズと重量
Newリッジも旧モデルと同じく、30Lと40Lの2つのサイズがあります。
容量30Lなら日帰り登山に余裕を持って行けるし、40Lあれば夏場の山小屋泊(テント泊するなら60L以上のものがおすすめ)の山行などにぴったりです。
重量は30が「1,450g」で40が「1,630g」となっています。
30Lも40Lもそれぞれ「type1」「type2」「type3」と3つずつ種類がありますが、この違いは背負う部分の長さ、背面長の違いだけ。
- type1 背面長42cm
- type2 背面長47cm
- type3 背面長50cm
ザックを選ぶときには必ず自分の背面長を測り、身体に一番合ったものをセレクトするようにして下さい。
< 背面長の測り方 >
腰骨の上部の一番張り出している部分を探し、左右のその点を水平に結んだラインの中央から垂直に上に伸ばし、首の第七脛骨(首を少し前に傾けた状態で後ろにボコっと出ている部分)までを測ると、これが背面長になります。
カラー
「K.Blue」(ライトブルー)、「A.Green」(黄緑)、「Magenta」(ピンク)、「Black」(黒)、「Khaki」(カーキ)、「Ink」(濃紺)の6種のラインアップがあります。
リッジ各部の特徴
ここからは僕が愛用しているリッジ40を例に各部の仕様を見ていきます。
公式よりも詳しくやりますよ。
まずは正面から。
シルバーのチェーンは防犯で付けているだけなんで気にせずどうぞ。
色は旧モデルカラーのブルーバード。新モデルのカラーでいうと「K.Blue」に近い色です。
リッド(天蓋)に付いているカリマーのロゴの下。ちょうどチェーンの付いている辺りが大きなフロントポケットになっていて、旧型はその両側にチャックが付いていますが、ニュータイプはポケットの真ん中から開くという違いがあります。
側面から見たところ。
容量が40Lあるので山小屋泊なら余裕だし、テント泊でも一人用のテントぐらいならギリ大丈夫です。
僕は無理やり2人用テントを入れて行ったんですが、他の装備を削ってもかなりキツかったのでおすすめはしません。
その際シュラフ(寝袋)はそのままだとかさ張るので、コンプレッションバッグを使いました。
部分的にパッドの硬さを変えてあるリッジのショルダーハーネス。
肩から背中にかけてより自然にフィットする形状を作り出しています。
リッド(天蓋、雨蓋)
リッドのチャックを開けると奥にもう1つチャックがある二重仕様になっています。
入れる物によって使い分けられるので便利。
リッドを開けて上から見たところ。
内側の背中側にもポケットがあります。
ここは背中に当たる部分なので型崩れしないようしっかり作られています。
ハイドロシステム用にも使えそうですが、折り曲げてはいけないものなどを収納するのにも使えます。
サイドポケット
両サイドにもポケットがあります。
350ml缶とZIMAを一本ずつ入れてみましたが、まだ全然余裕があります。
500mlのペットボトルなんかも十分入ります。
サイドホルダー
入っているのは350ml缶。
ドリンクホルダーにもストックホルダーにも使えます。
ウエストベルト
ここにはちょうどスマホが入ります。
iphone6plusや7plusは無理ですが、iphone5や6はOKです。
通気性を考慮してメッシュ構造になりつつも、しっかりと包み込んで腰で支えられるよう造られた肉厚なウエストベルト。
ちなみに左右両方に同じサイズのポケットが付いています。
下部のチャックを開けたところ。
内部は2気室にしたり1気室にしたり、どちらでも使えるようになっています。
実際に使ってみて
カリマーのリッジ40は夏の登山なら山小屋利用の一泊にも対応できる容量があり、それでいてほとんどの航空会社で機内持ち込み出来るサイズなので、バックパッカーにもイチ押しのザックです。
実際僕自身も海外旅行にはよくこれを持って行くので、日帰り登山以外に限らず幅広い利用を考えているのなら、「リッジ40」の方をおすすめします。
他にもリッジを使っている知り合いが何人かいますが、身体へのフィット感と共に通気性にも優れた背面パッド、腰骨を立体的に包み込んで重さを支えるヒップベルトなどのおかげで中型ザックとして評判が良いのも納得。
寝袋の下に敷くためのマットなどを「外付け」で持っていこうとする場合、ベルトの長さが短いので下部に取り付けることは出来ませんが、リッド(天蓋)部分のベルトが長いので僕はそちらに取り付けています。
またザックの素材自体に防水性は無いですが、レインカバーも付属しているので突然の雨にも対応OK。
カリマー公式
下記カリマー公式サイトでは、実際にそれぞれのザックを背負った姿勢が360°の角度から見られるので、購入前の確認をおすすめします。
カラーも豊富な8色から選ぶことが出来るのが嬉しいところ。
ちなみに商品価格はamazonと同額です。(2017年8月現在)
[ カリマー公式サイト ]
ridge 30 type1 ¥21,384
ridge 30 type2 ¥21,384
ridge 30 type3 ¥21,384
ridge 40 type1 ¥23,220
ridge 40 type2 ¥23,220
ridge 40 type3 ¥23,220
すべて税込み金額になります。
非常にバランスの良いモデルなので、初めてザックを買う人にもおすすめです。
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