【グレゴリー】バルトロ最強説。99回テント泊したんで各部位を詳細レビュー。
2018/10/05
こんにちは、KOUです。
登山はもちろんバックパッカーの旅にも欠かせないザックですが、その中でも特に評判の良い大型ザック「グレゴリー社(GREGORY)のバルトロ」について、南米でこれを背負ってパイネ国立公園やフィッツ・ロイをトレッキングし、計1,000km歩いた僕がその特徴や使用感をレビューしてみました。
各部位の画像と説明はページの真ん中辺りから。実際に使ってみた感想はページ後半にあります。
日帰り登山や小屋泊にちょうどいい中型ザックならカリマーのリッジ30及びリッジ40がおすすめです。こちらも併せてどうぞ。
【レビュー】カリマーのリッジ、新旧モデルの違いや使い方を徹底解説
バルトロの種類とスペック
選べる大容量
バルトロは「65L」「75L」「85L」の3つの容量が選べる大容量ザックで、身体の大きさに合わせてさらにそれぞれ3つのサイズ、「S・M・L」があります。
サイズごとに容量も違っていて、商品名に入っている65、75、85という数字はすべてMサイズの容量です。
SやLはそれぞれ約3~5LほどMよりも小さかったり大きかったりしますが、S・M・Lは容量で選ばず「必ず身体の大きさ(=背面長の長さ)に合ったもの」にしましょう。
自分の身体のサイズに合わないものを背負っていると無駄に疲れるし部位を痛める原因にもなります。
選び方としては、先にザックに求めるだいたいの必要な容量を決めてしまえば(65なのか75なのか85なのか)、あとは自分の身体の大きさによってSかMかLかが決まります。(下記サイズ表を参照)
2017年は新たに"バルトロ55"と"バルトロ95 PRO"が発売されました。
カラーは55がシャドーブラックとネイビーブルーの2色、95はボルケニックブラック1色です。
分かりやすいようにスペックを表にしてみました。
※「対応背面長」の数字は、人間を背後から見た時に「左右の両腰骨の最上部を結んだラインから首の付け根の骨(首を下に向けた時に少し出っ張る骨)まで」のサイズ。この長さを測ることによってS・M・Lのどれを買うべきかが分かります。
容量 | 本体重量 | 対応背面長※ | 最大積載量 | |
55(S) | ー | 2100g | 41~46cm | 22.7kg |
55(M) | 55L | 2100g | 46~51cm | |
65(S) | 61L | 2200g | 41~46cm | 22.7 kg |
65(M) | 65L | 2300g | 46~51cm | |
65(L) | 69L | 2360g | 51~56cm | |
75(S) | 71L | 2320g | 41~46cm | 25.9 kg |
75(M) | 75L | 2420g | 46~51cm | |
75(L) | 79L | 2520g | 51~56cm | |
85(S) | 80L | 2380g | 41~46cm | 27.2 kg |
85(M) | 85L | 2440g | 46~51cm | |
85(L) | 90L | 2600g | 51~56cm | |
95(S) | ー | 2980g | 41~46cm | 27.2 kg |
95(M) | 95L | 2980g | 46~51cm | |
95(L) | ー | 2980g | 51~56cm |
カラー
2015年~2017年モデルのカラーはシャドーブラック、ネイビーブルー、スパークレッドの3色。
下でたくさん出てくる画像は僕のバルトロ75で、色はネイビーになります。
当初は2014年に販売されていたエレクトリック・イエローというカラーが欲しかったんですが、僕が探した時点ではどこも売り切れ。
でも使っているうちにネイビーブルーにも愛着が湧いてきました。
メインカラーのネイビーにところどころ差し色の蛍光イエローを使っているのがいい感じです。
2018年モデルはカラーが「ダスクブルー」と「フェラスオレンジ」の2色に絞られました。
体型に合わせてパーツが替えられる
バルトロは「カスタムフィット対応モデル」と言って、ショルダーハーネスはS~Lの3サイズ、ウエストベルトはXS~XLまでの5サイズ、計15種の組み合わせの中から自分にあったものに交換することでベストなフィット感を追及できます。
同じ身長でも身体各部の長さなどは人により違うのでこれは嬉しいシステム。
また値段的にはやはりネットの方がかなり安いことが多いので、「細けぇこたぁいいんだよ!」という人、また「すぐに欲しいから」という人は、ネットショップでポチるのもありかと思います。
最低限S・M・Lのサイズが合っていれば(自分の背面長に合ったものを購入すれば)不具合は無し。
ではここから各部分を見ていきましょう。
部位解説
フロントポケット
縦に大きく開く大容量のフロントポケット。
南米を徒歩で1,000km、東欧を自転車で4,000km。共に旅をしてきたザックなので、多少の汚れは味だと思ってもらえ得ると助かります。
開けると、内側下部にはレインカバー(ザックカバー)の入ったメッシュのポケットが付いています。
カバーの色はイエロー(本体がネイビーの場合)です。
ドリンクホルダー
使わない時はこんな感じで格納しておくことが出来ます。マジックテープをバリバリっと剥がすと…
ドリンクホルダーが現れます。画像は900ml入りの珈琲、ブレンディのペットボトル。まだ多少余裕があり、1Lのボトルも無理なく入ります。ただし1.5Lのボトルはちょっと無理。
そして角度的にホルダーが斜め前を向いているのが分かりますか?
この角度が付いているおかげで、真上を向いたホルダーに比べてとても出し入れがしやすくなっています。
サイドポケット
バルトロは左右に1つずつ大きなポケットが付いています。
僕は南米パタゴニアを歩いた際にネックウォーマーやグローブを入れていましたが、入れようと思えば1.5Lのペットボトルがすっぽり入るぐらいの容量があるのでいろいろ使えると思います。
リッド(雨蓋、天蓋)
ここにも2つのポケットが用意されています。容量はどちらも1Lまでのボトルなら問題なく入るかと。
高さ的にギリギリですが、1.5Lボトルも入りました(横幅はまだ余裕あり)。裏側にも1つポケットがあります。
ウェストベルト
ウェストベルトにも左右1つずつ、計2つのポケットが付いています。
上の画像は左側のメッシュポケット。幅は15cm無いぐらいですね。結構小さいので入れられるものが限られてきます。
前年までのモデルは両方ともメッシュだったものが、右側は防水ポケットにチェンジ。チャック部分もしっかり防水になっているようです。
ここには時々スマホ(iphone5)を入れていましたが、防水を過信しすぎるのも怖いので、雨が降った時はビニール袋にいれてもっと奥にしまっていました。
内部
リッドを捲ると上気室の出し入れ口が。ここの紐も差し色でイエローになっています。
開けてみると中に同じくイエローのポケットが。
ハイドレーションで使う場合はチューブが後ろから出せるようになっているし、薄手のノートパソコンやタブレットなど(ただしループでフックに吊るすだけという構造上、重たい物は不向き)を入れておくこともできます。
フロントポケット側からも、チャックで大きく開けられるようになっています。
下気室との境目のフックを外せば一気室にもなります。
上部の口が幅約29cmまで、チャック部分は同約19cmまでのものが入ります。
裏面から見たところ。
簡単に取り外し可能なので街歩きの際のサブバッグや、登山時に途中で荷物をデポして頂上を狙う際のアタックザックにもなります。
公式価格
2017年6月時点の公式価格(税込み)は以下の通り。
バルトロ55 → 39,960円
バルトロ65 → 42,120円
バルトロ75 → 44,280円
バルトロ85 → 50,760円
バルトロ95 PRO → 60,480円
正直結構高いので、ネットでポチる方が断然安いです。
※2018年度、バルトロ65や85の価格は変わらないものの、バルトロ75のみ46,440円に値上がりしました。
実際に使ってみて
容量的に
僕はバルトロ75を購入してすぐ、チリの国立公園で8日間のトレッキングをしたんですが、MSRの2人用テント(スペック&レビュー有)、クッカー(調理器具)、ISUKAの冬用ダウンシュラフ(スペック&レビュー有、同じくISUKAのコンプレッションバッグで圧縮しました)、ウェア、その他細々した道具も入れ、日数分の食料も入れていってちょうど過不足無いくらいの容量でした。
パンパンまで入れようとすればまだ少し入る余裕があったと思います。(※水は現地調達できたので荷物には入っていません)
実際の使用感
セールで買ったためにLサイズしか残っておらず、店で背負った感じでは特に違和感無かったのでそれに決めましたが、身長175cmの僕の場合、実際に使ってみると背面がやや長かったので、Mサイズの方が良かったのかなと感じています。
ボトルホルダーは斜め前を向いているので出し入れが非常にしやすい反面、屈んだ時にボトルが前に落ちてしまうことが何度もあったので注意が必要。
斜めのメリットがあればデメリットもあるってことですね。
僕はボトルを落として飲み口を壊してしまい、以後屈む際は必ず手を添えていました。
また、ハイドレにも使えるイエローのサブバッグは、大荷物を置いていきたい時にとても便利。
ウエストベルトの右に付いている防水ポケットもスマホを入れるのにぴったりで重宝します。
ただし僕のiphone5はちょうど良かったんですが、iphone6以降の一回り大きなスマホは入らない可能性が高いので注意して下さい。
ただ、もしここに入らなくてもビニール袋に包んでズボンのポケットにでも入れておけば全然大丈夫なんですけどね。
まとめ
約25kgの荷物を収納して8日間のトレッキング、そしてその後約一ヶ月、計1,000km超を歩いた感想としては非常に耐久力に優れ、背負った時の負荷がとても上手く分散されるザックだと感じました。
多少値段は張るものの、機能的には申し分のない高性能ザック。
S・M・Lのサイズ選びだけは面倒臭がらず、ちゃんと自分の背面長を測ってそれに合った物(ページ上部の表参照)を買うことをおすすめします。
ちなみに2015年のシーズンから女性用モデルのDEVA(ディバ)が登場しており、サイズはそれぞれ「60L」「70L」「80L」と男性用よりも5Lずつ小さくなっています。
※2017年からは従来のモデルよりも一段小さい容量50Lの"ディバ50"も新登場しました。
カラーは「チャコールグレー」「エジプシャンブルー」「ルビーレッド」の3色。(ディバ50は「エジプシャンブルー」、ディバ80は「チャコールグレー」のみ)
スポンサーリンク
人気の記事
- 1
-
世界の主要都市の緯度一覧!最高&最低気温もリスト化、比較してみた。
日本と世界、計150ヶ所超の緯度と気温をまとめて分かった意外な(?)傾向など。 ...
- 2
-
【自転車旅行の持ち物リスト】僕がヨーロッパ縦断した際の装備を公開します
このページでは、昨年僕がやった「自転車によるヨーロッパ縦断チャレンジ」の際の装備 ...
- 3
-
【狂犬病】ヨーロッパで犬に噛まれた体験談。ワクチンが無いので…
【海外事情】ヨーロッパで有料の救急車に乗った体験談。の続きです。 とりあえず噛ま ...
- 4
-
旅人には何故ビリーバーが多いのか?懐疑論者のすすめ。
「ビリーバー」って単語を知ってますか? 英語の Believe からきていて、簡 ...
- 5
-
日本一標高の高い村と町。ヨーロッパやアメリカ等の一番も調べてみた。
前の記事で比べた通り、標高の高い順となるとどうしてもチベットと南米勢で埋め尽くさ ...