自転車を飛行機で運ぶ際のダンボール梱包方法
2018/05/29
海外を自分の自転車で走ろうと思ったら、現地で買うか、日本から輪行していくかの2つに1つ。
僕の場合、ヨーロッパ縦断チャレンジの前に慣れておきたかったんで先にアワイチ(淡路島一周)をやり、その自転車を飛行機に乗せてアテネまで運びました。
今回はその手順を紹介します。
自転車を分解してダンボール箱に詰める
まずは段ボール箱を用意します。
自転車を入れようとするならやはり自転車の入っていた箱が一番。
いくら大きい箱でも白物家電や家具の箱なんかだとサイズが合わなかったり無駄な隙間(強度が下がり箱が潰れやすくなる)が出来たりするので、ここは素直に自転車用の段ボール箱にしましょう。
僕は自転車本体を買った店でもらいましたが、そうでなくても自転車屋さんでお願いすればだいたい譲ってもらうことが出来ます。
これがヨーロッパに持って僕の行く自転車。「TREK520disc」です。
長距離旅に適したクロモリ製のツーリング車で、パニアバッグを積むためにキャリアも取り付けてあります。
まずはタイヤを外す前に空気を抜いていきます。
空気がパンパンに入ったまま飛行機に乗せると、空気圧の関係で破裂する恐れがあるので忘れないように。
航空会社の規定にもタイヤの空気を抜くようにと記載があるはずです。
1/3ぐらいになればOK。
続いて車体を逆さまにして前輪とフロントキャリア(荷台)
を外していきます。
次にペダルも外します。
手に持っているのは工具の六角レンチ。
はい、ペダルが外れました。
さぁ、どんどん行きます。
前輪のフェンダー(泥除け)も外し、
前輪用のエンド金具を取り付け。
現状を引きの画で見るとこんな感じです。
再び逆さにして今度は後輪やリアキャリア、サイドスタンドなどを外します。
ちなみに今回の作業、使うのはほぼ六角レンチ2本(サイズが異なる)だけ。
後輪が留まっていた部分にもエンド金具を装着。
ここまで来てやっと段ボールに納まりそうな感じになってきました。
ハンドルバーに目印の白いテープを貼ったのが分かりますか?
反対側から見たところ。
ハンドルバーとそこに取り付けているもの、その両方にテープを貼ることで、分解時に一度取り外してもまた同じ位置に取り付けることが出来ます。
収納時は乗る時と同じようにサドルを上にして入れていきます。
もちろんサドルはハミ出すのでこれも取り外します。
ハンドルはそのままだと入らないので90°曲げて、ハンドルバー自体も固定してあったものを緩めて入りやすい角度にしています。
高さもギリギリ。とにかく動かせる部分はすべて動かしてはじめて納めることが出来ます。
本来一番上に付いているはずのハンドルバーを部品を入れ替えることで下に下げています。
ピッタリの箱に入れるためにはここまでやる。
とりあえず収まるようになったら一度出して、車体保護のために布や新聞紙をグルグル巻いていきます。
あまり厚く巻き過ぎると入らなくなってしまうので注意。
先端部やギア、チェーンなど守りたい部分だけしっかりと巻けば大丈夫。
改めて車体を段ボール箱に入れ、取り外したタイヤやサドル、前後キャリアなどもスペースを見付けて詰め込みます。
よっぽど上手くいかない限り多少膨らんでしまうと思いますが、後は強力なテープで何重にもガッチリと留めるのみ。
布テープだけでは不安だったので、持ち手としてさらにビニール紐も何重にも巻きました。
これが完成形。アテネ到着後の写真なんでビニール紐はだいぶ緩くなってます。
側面(ペダルの付け根が当たっていた部分)に丸い穴が空いてたけれど、車体には特にダメージ無し。
無事自転車を国際線飛行機で運ぶことが出来ました。
自転車専用ケース
僕はギリシャのアテネからポーランドのグダニスクまでの約4,000kmを走る予定だったんで、着いたらその場で捨てられる段ボールを選びましたが、往路と復路の飛行機が同じ都市の発着とかでケースを保管しておけるのであれば、より強度の高い専用ケースの方が安心。
次に僕がそんなケースを買うならどれがベストかって調べて見付けたのがこれ、オーストリッチのOS-500。
控えめな値段の割にコスパが高く、多くのサイクリストに選ばれています。
次にこちら、シーコン社のエアロコンフォートプラスはちょっといいお値段ですが、プロ選手も使う信頼のイタリアブランド。
前後輪を外して台座に固定するだけという簡易性とキャスター付きという利便性、そして何より優れた衝撃保護性能が人気です。
自転車の分解や梱包って画像で見るだけだと簡単そうですが、初めてだと結構つまづく部分もあると思います。
出発日直前になって慌てることがないよう、それまでに何度か練習しておきましょう。
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comment
はじめまして。
とてもわかりやすく丁寧に写真入りで輸送の手順を書いてくださっていて、ありがたく拝見しております。
なかなかこういうニッチな情報はないので、本当に助かりました!
私たちは今年の夏、家族3人で(息子12歳を連れて)イタリア自転車旅を計画しています。
日本から自転車を運ぶのに、輪行バッグにするかダンボールにするか迷っていたところでした。
ダンボールでローマまで運んだら、空港で自転車を組み立てて移動予定なのですが、
その際、ダンボールは空港で捨てられるものなのでしょうか。
結構かさばるので捨てると空港の職員の方に咎められたりしないものなのか、そこだけ心配しております。
勿論、その国その場によって状況も違うと思いますが、
参考までにお聞かせいただけるとありがたいです。
突然のメッセージでの質問、失礼いたしました。
コメントありがとうございます。
少しでも記事がお役に立ったようで嬉しいです。
親子3人で海外自転車旅とかメチャ羨ましい!
僕もいつかやってみたい夢の1つです。
そしてご質問に関して。
僕のケースでは到着がアテネの空港だったんですが、「そこの(空港出入口の外側に設置されていた)ゴミ箱の横に置いておいたらいいよ」と近くにいたポリスが言ってくれたのでそうしました。
ちょうど回収の人が来るタイミングだったので見ていると、ガラガラと大きな台車を引いてきてごく普通な感じで回収していきましたよ。
最低限のマナーとして段ボールを平たく潰しておけば多分大丈夫じゃないかと。
それと、(大都市圏にある大きな空港の場合は特に)空港からの道は基本的に自動車専用道路のことが多いので非常に危険です。
空港から自転車で一般道(大き過ぎる道は高速走行の車やトラックが多く、自転車走行に向いてないことが多いです)に出るルートが見付けられない場合は、段ボールのままタクシーに積み、自転車で走れそうなところまで行ってから組み立てて下さい。
丁寧な回答をありがとうございました!
行きの飛行機で自転車が破損するリスクを少しでも回避できるように、ダンボールで行ってみようと思います。
空港からの道路の件もアドヴァイスありがとうございました。
ローマの市内までの移動手段も検討中でしたのでとても参考になりました。
輪行してリムジンバスなどでテルミニ駅に行き、そこから1分の宿で体制を整えてから、
自転車での移動をスタートしようと思います。
何より、息子の安全を第一に...ということで別の緊張感もありますが、
楽しい経験ができればと思います。
KOUさんのブログは様々な情報満載で、
まだまだこれからもじっくりいろんなページを拝見させていただきますね。
段ボール箱は海外でも簡単に手に入りやすいのも強み。
帰国時は現地のスポーツ用自転車を扱ってる店を数件回ればきっともらえると思います。
スタート時も宿まで輪行し、そこからなら安心ですね。
ご存知と思いますが自転車旅は汗を大量にかくので、特に子供さんの水分補給気を付けてあげて下さい。
僕は6月のギリシャからだったんですが、アスファルトの上だと気温が40℃に達し、下のページにも載せてあるような1.5Lボトル用の特大ボトルケージが必須でした。
【自転車旅行の持ち物リスト】僕がヨーロッパ縦断した際の装備を公開します
https://otk-challenge.com/cycle-tools01
なにはともあれ安全第一。
一生思い出に残る素敵な家族旅行になることを祈ってます!
KOUさん。
色々とありがとうございました。
水分補給も十分に考慮するようにします。
走るのが田舎道で途中に店もないルートもかなりあるので、
多めの水を用意するようにしますね。
おかげさまで、航空会社に自転車3台載せる確約も取れて、
来月15日から無事に旅立てそうです。
あと一ヶ月輪行の練習などもしながら準備して過ごします。
また旅先から、アドヴァイスお聞きすることもあるかもしれません。
どうぞよろしくお願いいたします!
出発決まりましたか~。ワクワクしますね!
輪行とパンク修理に慣れておけばまずは安心です。
また現地からのご質問などあれば、僕が分かる範囲で答えさせてもらいますのでお気軽にどうぞ。
それではお気をつけて!
持って行くときに航空会社に事前に問い合わせなどしました?
もちろん確認しています。航空会社により規定が違うことも多いので事前の問い合わせは必須。
登場予定の日付と自分が持っていくダンボール箱の縦横奥行きのサイズも伝えました。
便ごとに状況は違うので「100%確実に載せられます」とは言ってくれませんが、ある程度のことは分かりますよ。