世界の高山都市ランキング!世界一標高の高い町や村はどこなのか?
2019/04/28
日本にも高地の町や村はあるけれど、世界には数千メートルもの高地に住む多くの人々がいます。
今回は標高順でランキングにしてみました。
世界の高山都市トップ9
こういったランキングを作る際に難しいのが、どういう基準で入れるか、入れないかという線引き。
小さな集落まで入れるとややこしくなるのは確実で…どこで区切るべきか迷ったけれど、今回は人口10万人以上の都市ということでランキングを作成しました。
都市 | 国 | 標高 | 人口 | |
---|---|---|---|---|
1 | エル・アルト | ボリビア | 4,150m | 830,000 |
2 | ポトシ | ボリビア | 4,067m | 165,000 |
3 | フリアカ | ペルー | 3,825m | 220,000 |
4 | オルロ | ボリビア | 3,706m | 216,000 |
5 | ラサ | チベット | 3,650m | 160,000 |
6 | ラパス | ボリビア | 3,593m | 760,000 |
7 | クスコ | ペルー | 3,400m | 320,000 |
8 | キト | エクアドル | 2,850m | 1,620,000 |
9 | スクレ | ボリビア | 2,810m | 285,000 |
※人口データは多少古いものもあるので、現状さらに増えている可能性も高い。
南米に負けず劣らずの高地であるチベットに関しては、土地の平均標高が3~4千メートルやそれ以上。
ただなんせその広大さの割に人口が少ないんで、10万人以上という今回の基準には満たないものがほとんどですが、東チベットの中心地チャムドや中央チベットの古都ギャンツェなどの他、高地の町や村、集落はたくさんあります。
※もし他にランキング入りしそうな都市が見つかれば、情報が入りしだい随時訂正予定。
エル・アルト
「世界一標高の高い首都」と呼ばれている南米ボリビアのラパス(同国憲法上の首都はスクレだけど)。
すり鉢状の都市ラパスは底の方に高所得者が住み、縁の方に低所得者が住む構造になっていて、どんどん人口増加を続けた結果、溢れた人々がより上に住みだしたことで生まれたのがこのエル・アルト(El Alto)の街。
1987年にはラパス市から正式に分離し独立した市として認可されました。
世界一標高の高い都市と呼ばれるその標高は、富士山頂よりも高い4,150m。
ポトシ
ボリビア南部、アンデス山中の盆地に位置するポトシ(Potosi)はWikipediaによると標高4,067m。
1545年に発見された銀鉱山の街として発展し、数百年間採掘が続けられたが19世紀に枯渇。
街全体がユネスコの世界文化遺産に登録されています。
先住民の血を濃く受け継いだ住民が多く、ここのお年寄りはケチュア語しか話せない人も。
その標高の高さから年間を通じて気温の上下が少なく、例えば月間平均の最高気温は一番暖かい11月でも18℃で、一番寒い7月でも14℃とさほど変わらない。
フリアカ
ペルー南部のチチカカ湖(標高3,810m)から西のほど近いところに位置するフリアカ(Juliaca)。
街の標高は3,825mで、インカ・マンコ・カパック国際空港やペルー南部鉄道の発着駅がある交通の要所。
首都リマや古都クスコ、隣国のボリビアなどとも結ばれていて、毛織物や羊毛の取り引きが盛んな街。
オルロ
ボリビア中西部、西はチリと国境を接するオルロ県の中心地。
一帯はアンデス山脈に含まれ、オルロ(Oruro)の街があるのは海抜3,706mの高地。
17世紀初頭に銀山開発の中心地として建設された街で、今はフォルクローレの里としても有名。
毎年2月に行われるオルロ(オルーロ)のカーニバルは、クスコのインティ・ライミ(ペルー)、そしてあのリオのカーニバル(ブラジル)と並んで南米三大祭りと呼ばれています。
同国内のラパスとは長距離バスで、ウユニ塩湖とは列車で結ばれているのでアクセスも良好。
ラサ
標高3,650m。現在は古くからの市街の他、近隣諸地域を併せた総面積3万平方キロをラサ市と呼ばせているけれど、本来は中心部だけを指す呼称。
(なので上記リストの人口などは中心となる古都ラサ周辺地域のみの数字を採用)
古都ラサ(Lhasa)は7世紀の前半、ソンツェン・ガンポの時代にチベットの都として定められ、以後モンゴル人や満州人なども含めたチベット仏教文化圏の宗教的中心地として栄えました。
最高指導者であるダライラマが代々居住していた13階建てのポタラ宮は、基部を含めた高さが117m、全長約400mという単体としては世界最大級の建築物の1つで、その部屋数は2,000とも言われています。
1959年には、後にブラッドピット主演の映画「セブン・イヤーズ・イン・チベット」でも描かれたチベット動乱が発生。重大な身の危険を感じたダライラマ14世は、8万人の民衆と共にインドへ亡命しました。
その後のラサでは中国共産党軍によって多くの僧侶が殺され、寺院が破壊され、占領後の数十年間で総計100万人を超えるチベット人が処刑や拷問その他で亡くなったとされます。
現在も圧政が続くチベットが自由になる日はいつなのか…。
ラパス
正式名称は Nuestra Senora de La Paz(ヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・パス)。
南米ボリビアの実質的な首都ラパス(La Paz)の中心部は海抜3,600mの高所に位置しており、世界で最も標高の高い首都と呼ばれています。
この街があるのはボリビア西部。ペルーとの国境ラインが湖上を通っているチチカカ湖からも比較的近い。
ラパスはインカ帝国を征服したスペイン人によって、現ペルー南部の鉱山とリマとを結ぶ中継地として16世紀半ばに建設されました。
すり鉢状の峡谷盆地に形成されたその街は、その底の方が裕福層の居住区となり、上に行くほど貧困層が多い構造になっている。
人口がどんどん増加していった結果としてすり鉢はすべて埋まり、さらにその上に出来た街がエル・アルトで、すり鉢の底からの標高差は600m前後あるとか。
2014年にはラパス⇔エル・アルト間を結ぶロープウェイが開業しました。
クスコ
ペルー有数の都市でもある古都クスコ(Cusco)は、13世紀から16世紀前半の数百年間、インカ帝国の首都でしたが、ピサロらスペイン人より征服、破壊され、その上に現在もある大聖堂や修道院などが造られました。
例えば今日観光名所となっている、アメリカ大陸を代表するコロニアル・バロック建築、ラ・コンパニーア・デ・ヘスス教会が建てられている場所は、インカ皇帝ワイナ・カパックの宮殿跡。
標高は約3,400mで、人口は30万人強。その市街域は世界文化遺産に登録されています。
キト
南米エクアドルの首都キトは、標高2,850mの高所にありながら人口150万人超を擁する大都市。
インカ帝国時代には帝国第二の都市として発展し、首都だったクスコからインカ道が整備されました。
現在の街は主に旧市街(世界遺産)と新市街から成り、旧市街にはスペイン植民地時代の重厚な建築物が多く建ち並び見応えがあります。
市内の足はトロリーバスが便利。
市街地南西部にあるパネージョの丘の上には中に階段が付いている大きな聖母像が立っていて、街のどこからも見えるシンボルになっている。
街が一望できる見晴らしのいい場所だけど、途中強盗が出ることで有名なので登る際はツアーかタクシーを利用するのがベター。
スクレ
ボリビアの中南部、標高2,810mに位置する憲法上の首都。
およそ130年前までは名実ともに首都だったが、政府や議会など国家機関のほとんどがラパスに移転。最高裁判所は今もこの地に残っています。
1500年代に建てられた白壁の建物が多いのが特徴で、世界遺産にも登録されている。
もともとは「Cuidad de la Plata」(銀の町)と呼ばれていたが、1825年の独立調印式以降、独立の父にして初代大統領の名にちなんでスクレへと改名された。
特別枠
人口10万人以上の条件に満たなかったんで今回のランキングからは漏れたけど、ランク入りした都市以上に高所の町や村などもあるのでこちらに記載。
チベット第二の都市、シガツェ
チベット南部、ヤルンツァンポ川とニャンチュ川の合流地点に位置するシガツェ(Shigatse)は、ツァン地方の宗教的・経済的中心となる街。
海抜3,840mという高所にあり、その標高はラサよりも高い。ダライ・ラマに次ぐチベット仏教第二の指導者、パンチェン・ラマが代々住まう場所でもある。
14世紀に建設され、ゲルク派4大寺院の1つであるタシルンポ寺の門前町として栄えてきました。
人口は約9万人。
聖山の麓の町、シクァンヘ
シクァンヘ(Shiquanhe、中国名・獅泉河)は中国の区分でいうガリ地区(ガリー)の中心的な町で、標高4,255mに位置しています。
チベット西部のこの辺りは聖なる山として崇められているカイラス山の麓であり、紀元前後から7世紀まではシャンシュン王国、9~17世紀はグゲ王国が存在した場所でもある。
チベットが中国共産党の支配下に組み込まれた今では現代中国風の町へと変貌し、漢族の流入によって人口も増加。
町があるのは世界史で習うあのインダス河の源流、センゲ川とガー川の合流地点です。
年間降水量の平均はわずか66mmで、これはドバイの88mmと比べても極めて少ない。
この町単独の人口は不明ですが、ガリ地区全域含めても8万人程のようです。
銀鉱山の町、セロ・デ・パスコ
ペルー中部、パスコ県。アンデス山脈の標高4,330m地点に位置する鉱山の町、セロ・デ・パスコ(Cerro de Pasco)。
人口はおよそ7万人。17世紀初頭に銀が発見されて以来、採掘は今でも続いている。
パスコ県の県都であり、約300km離れた首都リマと鉄道が通じているにもかかわらずどこかマイナー。世界の高山都市の話題が出てもたいていスルーされてる気がします。
年間を通じて気温の上下は3~4℃程度とあまり寒暖の差がなく、その中で最も暖かい12月の平均最高気温は13℃、最も寒い6月の平均最低気温は-4℃。
暖かい時期の方が雨は多く、年間降水量は1,000mmほど。ちなみに東京の年間降水量は約1,500mm。
実質的な世界一、ラ・リンコナダ
ラ・リンコナダ(La Rinconada)はペルー南部のプーノ県にある金鉱採掘者の町。
アンデス山脈の標高5,100メートル地点に位置し、樹木限界の遥か上にあることから周囲に木々は皆無。その代わり氷河がある。
もともとは金鉱山を採掘する労働者ための小さなキャンプだったものが、2001年頃からの金価格高騰によって人口が急増。
2009年時点で約3万人、2016年時点では約5万人の人間がこの地で生活しており、その数はさらに増加しています。
住人のほとんどは鉱夫で、最初の30日間は無給で働くシステムだったりと労働条件はかなりブラック。
また、リンコナダは正式な町ではないためなのか公共サービスがほぼ存在せず、ごみの収集も下水処理も行われていないため住環境も非常に劣悪。
BBCの報道によると、住民の飲み水さえも水銀汚染されているとか…。一攫千金を夢見てにしてもリスキー過ぎる。
最寄りの空港はインカ・マンコ・カパック国際空港。
標高5000m超!? チベットの推村
チベットで一番天空に近いと噂のその村があるのは首府ラサから南西に135kmほど、隣国ブータンにも近い普莫雍錯(中国語名)という湖の畔。
湖の海抜は4,733mから5,070mまでいくつもの説があります。
幅は最も広いところで対岸まで約32kmで面積は290km2ほど。琵琶湖が約670km2なんで、そのおよそ半分弱くらい。
冬になると草地が氷雪に埋もれてしまうため、村人は羊に凍った水面の上を歩かせ、草が残っている湖内の島へ向かいます。
ラサから来る観光客は手前のヤムドク湖までで満足して引き返す人が多いらしいけど、推村へ行くにはそこからさらに奥地へ4時間。
これまで訪れる人が非常に少なかった最果ての地。
青い空、白い雲、そびえ立つ雪山、陽を浴びて輝く湖、寺院に羊、そしてはためくタルチョ。その絶景と標高から、「天国への入口」なんて呼ばれてるらしい。
村には100人ほどの人々が住んでいて、羊などを放牧することで生活を営んでいます。手に入った物は、たとえ一掴みの砂糖でも各世帯に均等に分ける原始的なスタイル。
最近は観光客も受け入れているけどホテルはまだ無くて、宿泊する場合は現地の人の家に泊まることもできると中国のサイトに情報がありました。
ただ中国共産党政府はチベット人弾圧の情報が諸外国に漏れることを非常に警戒しているため、チベット人と外国人との接触を相当制限しています。つまり僕らが行っても泊まれない可能性が高いかも。
南米のその他の高山都市
海抜3,500m以上は別格としても、トルーカ、レルマ、サン・マテオ・アテンコ等々、2,500mぐらいの都市や町であればメキシコ辺りにもたくさんあります。
ならきっとペルーやボリビアにももっとあるはずだけど、全部は取り上げきれないので、ここでは代表的な都市を取り上げました。
カハマルカ
カハマルカはペルー北部にある標高2,750mの都市。
1533年、インカ帝国最後の皇帝アタワルパがスペイン人のピサロたちによって処刑された場所としても有名です。
現在はカハマルカ県の県都で人口は約15万人。
コチャバンバ
ラパス、サンタクルスに次ぐボリビア第三の都市。国のほぼ中央部に位置していて標高は2,574m、人口は約52万人。
リオデジャネイロのキリスト像(台座含め38m)よりも巨大な40m(台座含む)のキリスト像が1994年に建てられた。
メキシコシティ
古くはアステカ王国の首都で、テノチティトランという名の湖上の都でした。
テスココ湖と呼ばれたこの湖は現在ではほぼ全部が埋め立てられてしまっているけど、かっては南北65kmにわたる大きなもの。
現在のメキシコシティは人口約900万人の中南米有数の大都市で、その標高は2,240m。
高地だけど緯度が低いので気温もほどよく温暖です。
マチュピチュ
そういえばランキングに入ってなかったな…と思いました?
まぁマチュピチュは今現在人が住んでる都市ではなく、遺跡なので。
世界中で最も人気のある世界遺産の1つ、マチュピチュがあるのはペルー南部、同じく世界遺産の古都クスコから直線距離で100kmほどの場所。
ただしひたすら山道を走ることになるので、車の場合6時間ほどかかります。
15世紀の中頃にインカの人々によって建設され、16世紀前半にスペイン人に征服されるまで約80年間にわたり利用されたマチュピチュ。
人口は最大でも750人ほどで、普通の町ではなく主に祈りや儀式のための神殿だったようです。
ところで標高はいくらぐらいなのか?
気になりますよね?
空中都市マチュピチュのイメージからするとかなり高そうに思えます。
ここまで見てきた中で最も高かったのが5千メートルぐらいなんで、マチュピチュもそれぐらい?
あるいは6千メートル級?
なんて思った人もいるかもしれませんが、マチュピチュの標高は、2,430mです。
当時インカ帝国の首都だったクスコの標高がおよそ3,400mなので、それよりも千メートルぐらい低い。
ちょっと意外ですよね。
それでも麓の集落アグアス・カリエンテス(通称マチュピチュ村)から徒歩なら一時間ぐらいかけて登る高さ。
まとめ
人口10万人以上の都市としては、1位がエル・アルト(ボリビア)4,150m、2位がポトシ(ボリビア)4,067m、3位がフリアカ(ペルー)3,825m。
これが人口5万人以上なら、1位がラ・リンコナダ(ペルー)5,100m、2位がセロ・デ・パスコ(ペルー)4,330m、3位がシクァンヘ(チベット)4,225m、またはエル・アルト(ボリビア)4,150mになります。
日本一高い富士山の標高が3,776m。それでも高山病になる人がいるのに、4千メートル以上に住んでる人たちってスゴすぎる。
僕は以前、上記ランキングにもあったエクアドルの首都キト(標高2,850m)に3ヶ月ほど滞在してたことがあって、その時は別に大丈夫だったんだけど、さすがに4~5千メートルはちょっと不安です。
そして、世界の高山都市ランキングっていう括りになるとどうしても上位は南米とチベットばかりになってしまうけど、日本を含めたその他の地域についても調べてみたのでこれは次のページで。
↓↓↓
ヨーロッパとアメリカ、日本の一番標高の高い村や町。アフリカや南アジアも。
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